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御祭舟第三巻まえがき
宇宙全史とビックバン
宇宙全史ではこれまで科学分野で提唱されていました「ビックバン」という現象はないとして来ています
(イメージ的には「大爆発」というような感じではないという感じです)・
御祭舟の映像収録では「ハッブル宇宙望遠鏡の後に、新しく宇宙に打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による巨視的な観測で、ビックバンに関する新たな発見がなされて来ました」というお話しをしました。
今回は逆に微視的な観点からの検証になります。
「虚空蔵東京本」における「時間」の研究課題の延長から、興味を惹く内容を取り上げました。
メインの研究課題は「時間における対称性」というところでしたが、そこから派生しているものです。
↓
「事象において時間的に非対称な現象はあるかどうか」
(これはタイムマシンの検証中に生じた問題でした)
↓
現代物理において、時間的に非対称な現象には、以下のような例があります
熱力学的非対称性
エントロピー増大の法則
熱伝導は常に高温から低温へ
自然過程は不可逆的
量子力学的非対称性
波動関数の収縮
観測による量子状態の破壊
量子もつれの非可逆性
生物学的非対称性
生命の発生と進化
遺伝情報の一方向的伝達
加齢プロセス
宇宙論的非対称性
宇宙の膨張
物質と反物質の非対称性
時間の矢の一方向性
化学反応の非対称性
触媒反応の方向性
化学平衡への一方向的収束
タンパク質の折りたたみ過程
情報理論的非対称性
情報のエントロピー増大
情報の不可逆的拡散
通信における情報損失
神経科学的非対称性
記憶の形成過程
学習による神経接続の変化
脳の可塑性
しかしこれらの現象は、時間が一方向にのみ進むことを前提にしていますし、内容的にダブっているものもあります。
そこで少し整理して、まず物理的な原理原則、法則、因果律に基づく非対称性だけを再考します。
つまり時間が未来・過去に進行するとき、同じ事象が再現しない現象です。
根本的な非対称性を厳密に考察すると、以下の現象が重要になります。
CPT対称性の破れ
粒子物理学における最も基本的な非対称性
荷電(C)、パリティ(P)、時間反転(T)の同時反転で完全な対称性が崩れる
素粒子の基本相互作用に内在する非対称性
弱い相互作用における対称性の破れ
CP対称性の破れ
素粒子崩壊における左右非対称性
素粒子物理学の基本的な非対称性メカニズム
量子力学的観測問題
波動関数の収縮
観測行為そのものが本質的に非対称
観測以前と以後で系の状態が根本的に異なる
それではこれらの中で最も重要視されているCPT対称性の破れを、簡単に説明します。
CPT対称性の破れは、素粒子物理学における最も基本的な対称性の破れの一つで、
C(電荷共役)
P(パリティ)
T(時間反転) の同時反転による対称性
を表します。
CP対称性の破れは1964年中性K中間子の崩壊過程において観測されています。
しかしCPT(電荷・空間座標・時間)という総合的な系の反転事実は、まだ観測されていません。
ここでも相対性理論が関わってくるのですが、ローレンツ不変性という相対性理論の基本概念がありますが、これによりあらゆる時空間でCPTは保存されているとしています。
(ここはややこしいのですが、上で書いたようにCPだけの対称性が破れることは普通にあります)
しかしT(時間)の対称性がそれを補完するように破れるため、CPTとしては、その対称性は保存されているとされます。
つまり、CP対称性の破れが存在する場合、T対称性の破れも存在することになります。つまり、時間を逆転させた場合の物理過程が、元の過程と同一でないことを示しています。
T対称性破れの具体的な実験方法をいくつか示しておきます
時間反転対称性((対称性)の破れを検出するためには、時間反転操作に対して異なる振る舞いを示す物理現象を精密に測定する必要があります。以下に、具体的な実験手法をいくつか紹介します。
1. 荷電K中間子の崩壊におけるミュオンのスピン偏極測定
荷電K中間子(K⁺)が中性パイ中間子(π⁰)、ミュオン(μ⁺)、およびニュートリノ(νₘ)に崩壊する過程で、生成されるミュオンのスピンの向きを精密に測定します。時間反転対称性が破れている場合、ミュオンのスピンの横方向への偏極(横偏極)が観測されると期待されます。この手法は、KEKの陽子シンクロトロンを用いた実験で実施されました。
2. ミュオンの電気双極子能率(EDM)の測定
ミュオンが持つ可能性のある電気双極子能率(EDM)は、T対称性の破れを直接示す物理量です。ミュオンを強磁場中で精密に制御し、そのスピンの歳差運動の変化を高精度で測定することで、EDMの存在を検出しようとする実験が行われています。例えば、J-PARCにおけるミュオンg-2/EDM実験では、ミュオンの高周波加速技術を用いて高精度な測定が計画されています。
3. 中性K中間子の崩壊におけるT対称性の直接測定
中性K中間子(K⁰)の崩壊過程で、時間反転操作に対応するプロセスを直接比較することで、T対称性の破れを検出する手法があります。具体的には、K⁰とその反粒子の崩壊率や生成率の違いを精密に測定し、時間反転対称性の破れを検証します。この手法は、CERNなどの高エネルギー物理実験施設で実施されています。
これらの実験手法は、T対称性の破れを検出するための重要なアプローチであり、宇宙の物質と反物質の非対称性の解明にも寄与しています。
物理学において、対称性の破れは自然界の基本的な現象として、物理法則自体は特定の対称性を持つものの、実際の物理現象や系の状態がその対称性を破る場合を指します。
その他の主な対称性の破れの例:
1.自発的対称性の破れ:
物理法則は対称性を持つが、系の基底状態がその対称性を破る現象です。例えば、ヒッグス機構では、電弱相互作用の対称性が自発的に破れ、WボソンやZボソンに質量を与えます。
2.明示的対称性の破れ:
物理法則自体に対称性を破る項が含まれている場合です。例えば、強い相互作用におけるCP対称性の破れは、理論上は存在するものの、実験的には非常に小さい値しか観測されていません。
3.量子異常による対称性の破れ:
古典的には対称性が存在するものの、量子効果によりその対称性が破れる現象です。例えば、π⁰中間子の2つの光子への崩壊は、量子異常による対称性の破れとして説明されます。
これらの微視的な対称性の破れは、我々が見ている物理現象は表面上(肉体感覚)にしか過ぎず、潜在的に隠された物理現象が存在するがために、対称性が保存されていないとみなしてしまうという考え方。
もっと踏み込んで、そもそもこの宇宙には根源的な不均衡があるか、或いはそれを補完するまだ見つかっていない物理の深遠な理論が存在するかと推論されます。
そこを解明しないと「時間」の解明が遅れてしまいます。
また最新技術による宇宙観測などの結果から、私たちの宇宙の新たなビジョンが見えて来ています。
それらはまだまだですが「宇宙全史」の開示した情報に少しずつでも近づいているのは、新たな世界が間近に迫って来ているのを予見させます。
これらの命題は宇宙全史の三十五部品に収録される「虚空蔵東京本」にて解明されています。
今回は、この宇宙(オーム宇宙)の最初期の段階で「ビックバン」呼ばれている大爆発現象はなかったということ、また私たちの宇宙には、どこかしら根源的な偏りがあるという事を、現代科学の巨視的観点と微視的観点から推論しました。
(物理の面倒な数式や単語が出てきましたが、そのうち画像でやさしく解説します)
2024年11月28日
古川益三